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だいやのブログ

2015年11月16日
茨木のり子さんの詩

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茨木のり子さん。

読んでいて時に心をえぐられるような、頭をガツンと叩かれるような、とても厳しい詩を書かれた方でした。

辛かった時に誰かを責めるのではなく、すべてを自分で引き受けなさいと諭されたことがあります。

今回は彼女の詩を二遍ご紹介したいと思います。

自分の感受性くらい

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

倚りかからず

もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない 
もはや

できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて

なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ

(山地 正晋)