今回から2回に分けて、弊社のISO9001のうちで業務課にかかる部分について取り上げてみようと思います。
できるだけ分かりやすくお伝えしたいので、時系列的な事実と異なる部分がありますが、ご了承ください。
業務課では2Fの営業課から出力された作業票に従って、おおまかには下記の要領で仕事をすすめます。
1.倉庫からの品出し(出庫)
2.商品の引き取り(引取)
3.商品の検収(検収)
4.配達・出荷
これだけを見ますと、たいへんシンプルな内容です。しかし実際のISO構築の際には、「個々の作業段階でどのような留意点があるのか」を噛みくだいて文章化することが求められました。要するにミスをなくすために、どのような点に注意を払いながら仕事をすれば良いのかを言語化するわけです。
具体的には「業務手順書/入出荷業務」の作成が必要となったのです。
以下、簡単に各項目に書かれていることを一部抜粋し文面も簡略化して取り上げてみます。
1.業務遂行時に必要とされる事項
寸法の換算、品種・材質・圧力等の把握、伝票の理解、作業環境の保持、整理整頓の徹底、納期の厳守
2.伝票の受取りと仕訳
当日出荷伝票について
種類(配達・引取・出荷)別に分類、午前午後の分類、優先順位付け。
※後日出荷伝票については割愛
3.倉出し(在庫品の出庫)
①作業表の右側に記載された棚番へ向かい、作業票通りに商品を取り出す。
②取り出した商品には客先コードを記載した紙片を貼りつけ、未検収棚の「引取」「配達」「出荷」のうち、いずれかの所定場所に保管。
③作業票は「検収待ちBOX」に入れる。
4.商品入荷の対応
割愛
5.出荷確認業務(検収・梱包)
1)検収
作業票ごとに商品を揃えた後、出庫者以外のスタッフが検収を行う。
2)品物の仕訳
「引取」「配達」「出荷」の所定の場所に保管する。
3)梱包作業
内容物に適した段ボールを選び箱詰めする。
複数個になる場合はケース毎に大きくABCの英字を記載し、作業票の「梱包NO」欄の各行に該当する英字を記載する。
※注意事項 届け先のお客様がわかりやすい梱包を心掛けること。
4)確定処理の実施
検収終了後、バーコードリーダーでコンピューターに確定入力を行う。
作業票と物品受領書の右下空欄にナンバリングを打つ。
...以下割愛
6.発送 7.配達 8.客先来社での引き取り 9.整理整頓
割愛
ここまで見ていただいたとおり、従前からやっていた作業をISO構築という観点から見直し、文章化してみますと膨大な量になりました。
この文章化の過程では、まず「作業行程の整理」、「作業行程ごとの項目設定」が必要でした。たいへんな仕事でしたが、改めて客観的に業務課の仕事内容を見つめることができたのは会社にとってたいへん意味のあることでした。
中心となり作業をすすめたM社員、彼女をサポートした社員諸氏には敬意を払いたいと思います。
他にも「言葉の定義」についての苦労もありました。
言葉の定義というのは、例えば「作業票」という言葉がありますが、これについても「作業伝票」「受注伝票」など、同じ伝票を意味する言葉が社内に複数ありましたので、「作業票」と統一することになりました。
また例えば、出庫してきた商品を置く棚は「未検収棚」と名付け、揃っていない作業票を保管する棚は「未揃い作業票棚」と名付けました。
このように今まで言語化されていなかった棚や引き出しに名前を付けることで、個人の勘や感覚に頼らない商品管理や作業票の管理が可能になりました。
これだけしっかりと文章化すれば、これからの業務課の仕事はミスなくスムーズに進行するだろう。
社内のスタッフがどう考えていたかは分かりませんが、少なくとも私は楽観的に考えておりました。
結果を申し上げますと、業務課でのミスの発生は一朝一夕には改善されなかったのです!
どうした業務課!! どうする業務課!!
※誤解のないようにお伝えしておきますが、ミスのほとんどは社内での検収等で出荷以前の段階でカバーされたものです。ご安心ください。
(つづく)
次回予告:ISOを構築したにも関わらず、ミスを頻発する業務課。そのミスを業務改善につなげていくべく奮闘した日々を綴ります。
(山地 正晋)